警告と接近禁止 ストーカー行為で覚えておきたい届け出

ストーカーリカバリーサポートの守屋です。

ストーカー行為に会ったとき、ストーカー被害者は警察へストーカー被害にあった、という届け出をするのが被害をこれ以上大きくさせないための大切な一手です。

ストーカー行為に対して警察からは警告、接近禁止命令がなされるのが通例です。

そこで大半のストーカーは警告を受ける段階でストーカー行為をやめる場合が多いのです。それは社会的に逮捕歴がついてしまうのは、あなたへの付きまといをする、というもの以上に嫌なことなのでしょう。

さてここでストーカー加害者の立場に立ってみましょう。

ストーカー加害者は「相手が嫌がっている」「付きまといはしてはいけない」と理解しつつも「自分もこんなことをしていては苦しい、でもそれは貴方に分かってもらえないからだ」という考えに基づいた行動です。

ここでストーカー被害者が警察に届け出をしたとき、さらに加害者がストーカー行為を行うとどうなるのか見ていきましょう。

ストーカー被害者が行う手続き:警告

ストーカー行為がエスカレートすると被害者は警察へ届け出て、加害者に「ストーカー行為をしないよう」警告を出します。

ここでのストーカー行為は、メールや電話などを何度もすることや、待ち伏せ、しつこく付きまとうなどの行為が含まれます。これにはSNS上でのメッセージやコメントも含まれるようになっています。

だから被害者が「もうやめて」「近づかないで」「関わらないで」と言っているのにも関わらず、連絡を取りたい、会って話がしたい、としつこく付きまとうのはすでにストーカー行為なのです。

加害者にしてみれば、悪意がない場合もあって寝耳に水なのかもしれませんが、警告が出されている以上はもう関わってはいけません。

ストーカー被害者が行う手続き:接近禁止命令

ストーカー行為がが警告後も続くようであれば、ストーカー被害者は警告の次の段階の手続きへ移行できます。それは「接近禁止命令」。

またストーカー規制法の法改正により、「緊急を要する」とされた場合には、警告の段階を踏まなくとも禁止命令が出せるようになっています。

接近禁止命令は、警告よりも重い罰則がつきます。被害者に近づかない、連絡を取らない、というものです。

禁止命令には有効期限があって1年間となります。しかし1年間経過したからといって禁止命令がなくなるわけではありません。聴聞を経て、1年間ごとに更新ができるようになっています。

ストーカー行為の代償は罰則が待っている

この警告、接近禁止を無視したり、ストーカー行為を行っており緊急を要すると判断されたりした場合、ストーカー行為の証拠が揃っていれば、ストーカー加害者を逮捕できます。

ストーカー行為をして警告、接近禁止を受けている。またはストーカー行為で逮捕されてまでも特定の相手に執着してしまっています。

ストーカーの心理状態もここまでくると、もはや被害者に対して明確に攻撃的な意思を示したり、被害者に味方する周囲の方に対しても攻撃的になります。

こうなると一刻も早くストーカーを逮捕するため警察へ相談しましょう。そこでストーカーは事件の証拠などがあるか取り調べが行われます。

そのため被害者はストーカー加害者に対して日ごろから、ストーカー被害に遭っている証拠を集めておくと後々非常にスムーズになります。防犯カメラの映像や、送られてきたメール、メッセージなどは証拠として保存しておくことをおすすめします。

ストーカー被害者は早めに警察へ相談を

以前よりもストーカーに関する世間的な認知も高まってきて、実際に凶悪な事件を犯すストーカーもニュースで散見されるようになっています。

そのためストーカーに関する相談は、以前よりも格段に警察に話を通しやすくなっています。お住まいを管轄する警察署へ相談に行ってください。また一人では不安、家族や知人にストーカー行為に合っているのを知られたくない、という方は警察への付き添いや相談窓口の紹介などもさせていただきます。

警察ではどんな被害を受けているのか、状況、加害者の相手など必要な情報を確認されます。

怖い思いをして、必死に耐えてきたのにも関わらず、ストーカーを思い出すだけでフラッシュバックしてしまう方もいるかもしれませんが、必要な手続きですので少しだけ勇気を出してください。

ストーカー被害は一人で抱え込まないで

ストーカー被害に遭っている、と相談すると「あなたにも悪いところがあるんじゃない?」「ストーカーに付きまとわれるなんて気持ち悪い」と被害者が心無い言葉を浴びせられるケースも目立ちます。

そんな言葉を浴びせてくる方はストーカー被害に遭ったことがない方であって、ストーカー加害者の本当の怖さを知らない人たちです。

ストーカー被害者は何も悪くありません。付きまとわれているとしても、原因はちょっとした接点だったり、ほんの少しの好意や親切心が大半です。

ストーカー被害者が被害を打ち明けると、「あなたも悪い」と周囲から言われてしまういわゆるセカンドレイプのような状況。こんな状況に追いやってしまっては、ストーカー被害者が誰にも相談できず一人で悩みを抱え込んでしまう可能性もあります。

一人でストーカーの悩みを抱え込んでしまうと、必然的に1人での行動が増えてしまいます。また相談できず危険な状況に身を置かねばならない状況にもなりえます。

ストーカー被害に遭わないために、こうした状況は絶対に避けなければなりません。しかし周囲がそう考えてはもらえないケースも出てきます。

そんなときは公平な目でストーカーをジャッジできる、我々のような第三者の専門家へぜひ相談してみてください。学校の教師や、世話になっている友人/先輩などもいるでしょうが、こうした方は必ずしもストーカー行為の専門家ではないのです。

初期対応を間違えてしまうと、ストーカー行為がどんどんエスカレートし、素人が手におえる相手ではなくなってしまいます。ストーカーも段階を踏んでステージが上がってきてしまうのです。

こうなる前にいち早く、警告と接近禁止命令を出して、手を打っておくべきなのです。もし近くに相談できる相手がいない被害者の方は、私までご連絡をいただければ、お話を伺って必要な手続きをするアドバイスをさせていただきます。

一人で悩んでいても何も解決はしませんよ。

またここを見ているストーカー加害者もいるでしょう。そんな方に私から一言メッセージを送りたいと思います。

ストーカーをしても貴方に何も利益とはなりません。

警告や接近禁止が出されているのに、会いたい、メッセージを送りたいという欲求が抑えきれない方も、一度私に連絡をしてください。あなたの気持ちに寄り添ってお話をお伺いしますよ。