ストーカーは被害者と加害者だけの問題ではありません。
場合によっては会社内の人間同士でストーカーの被害者と加害者になるケースも少なくないためです。
ストーカー被害を会社が知ることになる場合、多くは被害者から人事部などへの相談から発覚するケースが多くなるはず。そんなときに会社としてはストーカー案件に対してどのように対応すればいいのでしょうか。
なかなか会社内としても発生する事案としてはレアケースで、対応に頭を悩ませる担当者の方も少なくないと思います。
ストーカーは全てケースバイケース!
ストーカーは被害者の初動対応や加害者の行動など、全てが同じではありません。同じような類型に分類されるストーカー行為はあれど、全てが全く違う対応となってしまいます。
そのため「こんなときにはこうしたらいいいよ」「ストーカー被害に遭ったらこうしましょう」というものが言い切れないのがストーカー案件の難しいところ。
さらにはストーカーの件数そのものが毎月発生するような案件でもありません。そのためほとんどの人がストーカーについて全く知らないのにも関わらず、「会社の担当」というだけでストーカー案件の対応を任されてしまうのが現状です。
マニュアル対応だけではストーカー対応は不十分となる
会社ともなると毎年担当者が変わったりして、仕事内容を引き継ぎしていくところがかなり多いと思います。ある程度の規模の会社ともなればむしろ当たり前とも言えるでしょう。
そこで業務を効率的に片づけていくための引継ぎという業務が発生しますよね。
ストーカー案件を担当した人は真面目な人になるほど、しっかりとマニュアル対応のようなものを作成するでしょう。または会社からの指示でマニュアルを作成することになった、という人もいるかもしれません。
さて、事細かに実際にあったストーカー案件を記録して、対処方法のフローチャートを用意。
これで会社としてのストーカー対策は万全でしょうか?
一見会社としてはがんばって対策はしていますよ、というアピールになるだけで実際のところ次のストーカー案件が会社内で発生してしまったとき役に立たないと言えます。
タイミングやストーカーの状態、被害者と加害者の関係性などがどれも一致する部分がないため、このケースではこうすれば良かったのに、このケースでは禁忌となることも。
ストーカー被害者と会社側での話し合いと意思統一が重要
まず会社内でストーカー案件が発生したときには、会社側とストーカー被害者とで、しっかりした話し合いが不可欠となるのは間違いありません。
まずストーカー被害者は加害者に対してどんな対応を望むのか。会社として被害者を加害者から守るためどんな策を講じるのか、これを双方の間で決めなければなりません。
よくある会社の会議で何も決まらないまま「難しいね」「どうすればいいんだろう」で結論が出ぬまま終わっては絶対にいけません。
ここで会社とストーカー被害者の間で決めておきたいことを3つ紹介しましょう。
- 被害者は加害者に対してどんな対処を望むのか
- 被害者の要望に対して会社はどんな対応をいつまでに取るのか
- 警察を入れるのかどうかの確認
最低でもこれだけは必ず決めるべきです。
会社内でストーカーになるケースは一方的な恋愛感情が多い
会社内でストーカー案件が発生するとき、加害者側が一方的な恋愛感情を持ってしまった場合が多くなります。
仕事を手伝ってもらったとか、ミスをフォローしてくれた、一緒に大きな仕事に取り組んで成功させた、など、どれも通常の業務内でよくある事柄がきっかけです。
ストーカー加害者は、元々深いところで心に傷を持っている人も少なくなく、ちょっとしたやさしさを愛情として勘違いしてしまいます。それが大きく燃え上がってしまい加害者自身でも抑えられなくなってしまうパターンも多いのです。
会社内でストーカーとなる行動は?
会社内でストーカー案件が発生した際、ストーカーと認定するかどうかのラインはどこにあるのでしょうか。一般的にはストーカーの定義に当てはまるものであればストーカーとして認定して差し支えありません。
会社内で発生するストーカーで、よくあるケースを見てみましょう。
多量のメール
仕事にかこつけて色々なメールを大量に送り付けてきます。個人のスマートフォンのアドレスやLINE、SNSなどの連絡は知られないまでも会社の中でのメールなどは無視できません。
ストーカー加害者にとっては格好のストーカーツールの1つです。
行く先々で「ばったり」が発生する
会社の行く先々でとにかく「ばったり出会ってしまう」ケースが頻発します。これは完全に行動などを把握されている場合に発生するものです。
たまにばったり会うのは普通ですが、これが1日に何度も何度も起こるとどうでしょう。偶然ではないことにいつかは気付きます。
常に行動を共にするように仕向けられる
ストーカー加害者が上司、被害者が部下だった場合に顕著なのが、営業周りを一緒にさせられる、残業で二人きりになる、仕事をたくさん回されてさも親切かのように手伝うなど、常に行動が一緒になるように工作される可能性があります。
会社内では立場や仕事を理由に断りにくい
会社内では立場を利用したり、仕事を理由にしたりと、とにかくストーカー加害者からの要求に被害者は断りづらい環境が作りやすいのが特徴です。そのためストーカー加害者にとっては絶好の環境であるとも言えますね。
そのため会社で対応するときには、状況を確実に把握するように努めるのが先決です。
またストーカー被害者は会社に証拠を提出するため、記録を保存しておくのが必要不可欠。また会社側はストーカーなどの事件を表ざたにすることを非常に嫌う場合も少なくありません。
証拠を提出したらすべて抹消されてしまう可能性も考えて、必ず証拠はバックアップをとっておきましょう。
ストーカー担当の人物が親身になって対応をしても、上がNOと言えばそれに従うしかない。悲しい現実ですがそれが会社です。
会社で起きたストーカー案件には専門家を入れてください
会社で起きてしまったストーカー案件。会社としても担当者としても非常に頭の痛い問題です。
それ以上に被害者は日々精神を削られる毎日を送っていることでしょう。
会社内だからこそ、評判などを気にしてしまい、対応が後手後手になることが多くなります。しかも会社の意思決定には複数人が絡むため最終的には「波風立てず」の結論で終わってしまう場合がかなり多いでしょう。
しかしそれでは全く持って解決にはならず、殺人や傷害などの事件になってしまったときに会社側の責任を追及される可能性すらあります。そんなことになる前に、ぜひ素人の担当者ではなく専門家を間にいれることをおすすめしたいと思います。
ストーカーリカバリーサポートでは、こうした相談もお受けしておりますのでお気軽にご連絡を。