ストーカーリカバリーサポートの守屋です。
ストーカーをすると警察から警告を受けたり、接近禁止命令が出たり。さらに悪質なケースとなれば逮捕されることもあり得ます。
ストーカー規制法が厳しくなって、ストーカー事件が重ねられていくうちに一般的にも広く認知されてきている事実ではないでしょうか。
多くの人が「ストーカー=犯罪行為」という認識がひろまりつつあるのに、毎日ネットニュースなどではストーカー事件の記事を目にします。ストーカーをしたら警察にお世話になる可能性がある、というのになぜストーカー被害はなくならないのでしょうか。
ストーカー加害者は「ストーカーをしている」と思っていない
まず最初に、ストーカー被害者が「あれ?何かがおかしい?」という違和感に気付き始めるのが、異様なLINEやメッセージ、電話などでしょう。
常識では考えられない程の連絡が入ってくるようになります。一晩で何百件というLINEやメッセージが来るケースもあります。
またバス停や駅、最寄りのお店などで待ち伏せのように待っている姿を見たときにはつい悲鳴をあげてしまう方もいるようです。
このときストーカー加害者からしたら「悪いことをしている」「ストーカーをしている」という感覚は全くありません。むしろ心配をしている、あなたのことをもっと知りたい、という良く言えば非常にポジティブな感情を持っているケースが多いのです。
こうした行動が積み重なってくると被害者側としては、大きなストレスとなり拒絶を繰り返すようになります。しかしその拒絶さえも自分にとって都合の良いように解釈してしまうんです。
ストーカー加害者はつきまとっている、ストーカーをしている、という感覚がないんです。だからこそこれだけ大事になるかもしれないのに、平気であなたに接近しようとするアクションを起こしてくるのです。
どこか自暴自棄になっている節もある「どうなってもいい!」
ストーカーに気付いていない加害者に気付かせる方法。それは警察からの警告などでしょう。しかしストーカー加害者にとっては青天の霹靂。
なんぜ自分がそんな警告なんかを受けなくてはならないのか、全く意味が分からないんです。
なぜなら自分は良いことをしているのに、ある日突然警察から「もうストーカー行為はやめろ」と言われてしまうためですね。
一般的な感覚を持っているのであれば、そもそも警告を受けることもないんです。
ただそこで「事件になってしまったらやっかいだ」と考えて、すんなり引き下がるのならば問題ありません。問題なのが警告などに憤慨して自暴自棄になってしまうこと。
「もうどうなってもいい!」
と半ばやけくそになってしまい好意から悪意へと変わってしまうんです。こうなってしまうと理屈ではありません。自分を拒絶した、自分に警告をしてきた相手に対する復讐心が芽生えてしまいます。
ストーカーはある1つの目的達成のためだけに行動するようになってしまう
強烈な復讐心に駆られたストーカー。
こうなってしまうと警告でも止まりませんし、周りの目も関係なく行動に出るときがあります。
ストーカー事件として取り扱われている傷害事件へとつながってしまうんです。ストーカーのこのときの気持ちは「殺してでも一緒にいたい」というねじ曲がった感情。頭の中はもうぐちゃぐちゃで好きなのか嫌いなのか、おそらく自分でも正しい判断ができていないのでしょう。
これまでいくつもニュースで取り上げられてきた凄惨なストーカー殺人事件はこうして生まれてしまうんです。
だからこそストーカー犯罪は、厳罰化をしてもなかなかなくならないんです。もちろん厳罰化によって一定の抑止力は期待ができます。ただ完全にストーカー事件を無くす根本解決にはなっていません。
ストーカーがなくなればストーカーによる被害に心を痛める人もいなくなります。しかしそれはそれでなかなか難しいことでもあるのです。
ストーカーがなかなか無くならないのは、人としてのいろいろな感情があるからこそ。だからといってストーカーが許されるわけではありません。
そのためにも被害者、加害者の両面から寄り添いサポートして、今後もストーカーリカバリーサポートを通じてストーカーに傷つく人が1人でも少なくなるよう助力していきたいと考えています。