ストーカーリカバリーサポートの守屋です。
実は先日、ストーカー規制法20周年の節目で、中日新聞に私の記事が掲載されました。
https://www.chunichi.co.jp/article/159095
こうしてストーカーに関する記事を世に出させていただけるとは、非常に光栄で嬉しく思っております。
また今後もテレビ局やネット記事などの取材が入っており、ますますストーカーリカバリーサポートとして、微力ながらがんばっていく所存です。
さて、この中日新聞での記事ではストーカー加害者に対して、厳罰化ではなく治療が必要だと訴えております。
これまで数々の凶悪なストーカー事件により、厳罰化がされてきました。
それも必要なことかもしれませんが、実は私は厳罰化そのものがストーカーの抑止力にならない場合もあると考えています。
ストーカーリカバリーサポートではこのようなストーカー加害者を更生する取り組みを行っています。
不安、憤り、悲しみ、好意、いろいろな感情がストーカーを支配している
ストーカーをするきっかけは些細なものです。例えば仕事や学校でものすごくよくしてもらったり、何かのミスをかばってもらったり。
そんな日常でよくあるケースをきっかけになんとなく好意を寄せて、そこからエスカレートしていくんです。
メールやSNS監視、電話、待ち伏せなど。ありとあらゆる手段を使って、なにかのつながりを求めて行動します。
当然ストーカー被害者からすればそれは本意ではありません。
だから断っても拒否をしても、逃げてもなぜだか付きまとってくる。非常に気持ちの悪い相手に映ることでしょう。
そこで強く拒否をしたり、「警察を呼びます!」などと言うと、ストーカーは見捨てられるのではないか、話を聞いてくれれば気持ちを分かってもらえる、なんでそんな風に思うんだろう、と不安とか怒り、憤り、好意など色々な感情がぐちゃぐちゃになって、さらにストーカー行為を繰り返します。
そこには相手の迷惑を考える余裕などありません。完全に、被害者から見捨てられるという恐怖や不安に支配されている状態なんです。
事件を起こすときのストーカーの頭の中
こうした感情が繰り返されてもなお続くストーカー行為。
すると被害者は執拗なメールや電話、待ち伏せなどに身の危険を感じるようなケースへ発展してくるケースがあります。
こうなるとストーカー加害者に鉢合わせただけで罵倒したり、強い口調で拒否をしたりするようになってしまうでしょう。恐ろしい相手を目の当たりにしているのですからそれも仕方のないことかもしれません。
それを聞いたストーカーは何を思うでしょうか。
最初は不安や悲しいという感情だけだったものが、次第に憎しみへと変化してきます。それが積もり積もってすべてのことが「どうでもいい!」「何をしてでも手に入れてやる」という考えになってしまうときがあるんです。
ストーカーの段階でいくと「デンジャー」という段階ですね。これは非常に危険な状態で、ストーカーの頭の中を包み隠さず言えば、殺してでも自分のものにしたい、と考えてしまいます。
この「殺してでも」という表現は一切の誇張なしです。
ストーカーは一種の病気!厳罰化よりも治療を
被害者自身はもちろん危険です。だってもし鉢合わせてしまえば、ナイフで刺されてしまったりすることだってあるでしょう。
実際にこのような凶悪なストーカー事件が過去にも発生しているんです。
こうなるとストーカー加害者を刑務所へ入れればいいのか、二度と被害者に近づかないように罰則を強めればいいのか、というとそうとも言い切れません。
厳罰化はある程度必要かもしれませんが、真に必要とされているのはストーカーという病気への治療なのです。
ストーカー加害者を治療することは、ストーカー被害者にとっても平穏な暮らしを手に入れるために必要不可欠です。
冒頭でお話したストーカーリカバリーサポートが行っている、ストーカー更生プログラムはもちろんこうしたストーカー加害者を治療していくためのもの。
ストーカー加害者で、逮捕をされてもカウンセリングなどの治療を受けている元加害者は多くありません。それは加害者自身の判断なのですが、「ストーカー治療」という行為そのものがまだ一般的ではない、ストーカーは病気なのだ、という認識が浸透していない。
これがなかなか治療が進まない原因の1つでもあるのかもしれません。
事実ストーカー加害者の更生を支援するところは全国的にも少なく、大阪で私が行っている以外では東京しかないようです。
もっとこうしたストーカー加害者の治療が全国的に広がりを見せてくれれば、もっとストーカー被害を抑えることができるかもしれません。
ただそれには非常に時間がかかるでしょう。それまでは大阪の地で、少しでもストーカー加害者を治療するためのプログラムを今度も続けてまいりたいと思います。
自身のストーカー行為で悩んでいる方、相談をしたい方。またストーカー被害で困っている方、どんな方でも大丈夫ですので、一度ストーカーリカバリーサポートへお電話をいただければ、どんな活動をしているのか、どのような方が更生プログラムの対象となるのか、などお話もさせていただきます。
あなたの勇気ある一歩をお待ちしております。