ストーカーリカバリーサポートの守屋です。
日々小さなストーカー事件がネットニュースなどで流されています。それを見るたび心を痛めています。
ストーカーの加害者となる方は、どうしても相手(被害者)を自分のものにしようとしてしまうのです。しかし所詮は他人ですから、自分の思い通りになるわけがないのです。
感情が入り乱れてしまい、さらに気持ちを自分の中で整理できていない。だからこそストーカーという行為に及んでしまう人がいます。ストーカーをしたって自分の思い通りにはなりませんし、他人がどう感じるのか、それは加害者とは全く関係のないことなのです。
他人を「自分の思い通りにしたい」と願ったところで、それは無理な話です。
無視したから、嫌われたから・・・許せない!
ストーカー行為をする加害者が、ストーカーをする理由は、最初は「相手(被害者)が好きだ/尊敬している」といった感情が多いでしょう。
しかしその好意が行き過ぎてしまうと、相手から無視や拒否をされ、嫌われてしまいます。ストーカー行為の始まりでリスクという段階ですね。
好きな相手から、そのような仕打ちを受けた!と強く感じると悲しくなったり寂しくなったりしますよね。その悲しさ、寂しさが爆発して「アイツは許せない!」という怒りの感情が爆発します。ここでデンジャー、ポイズンと変化していきます。
「仲良くなりたい」という目的が入れ替わっている
このような感情変化があるストーカー加害者は、「許せない!」「危害を加えてやる」「殺してやる」とどんどんヒートアップしてきます。
でもこれって最初の目的が入れ替わっていませんか?
だって最初は「仲良くなりたい」「付き合いたい」「もっとお近づきになりたい」というポジティブなものだったはずです。
相手に拒否をされた、という事実があって、そこからなんとか関係を修復しようと模索したはずです。なのに、結果的に相手に拒否をされたから、それが許せない、と考えるようになっています。
「仲良くなりたい」という感情はどこへ行ってしまったのでしょうか。
拒否をされた、ぞんざいに扱われた。だから今メールをしたり付きまとったりしているんだ。
と考えているのかもしれませんね。でもこれって仲良くなりたい、とは対極の「嫌われようとしている」行動なのです。
起こした行動に対する相手の行動は決められない
ストーカー事件に発展する事例の中には
●プレゼントを贈ったのに、送り返された
●会いに行ったのに、悲鳴を上げて罵倒された
●コメントを入れたのに、無視された
こうしたきっかけで、ストーカーがエスカレートしていくケースが少なくありません。
ではストーカーはなぜエスカレートしてしまったのでしょうか。それはストーカーが、相手の反応を最初から決めてしまっているからです。
プレゼントを贈ったら、喜んで欲しい、使ってほしい。会いにいったら会話を楽しんでほしい、コメントを入れたら丁寧に絡んでほしい。
これが当たり前の反応だと、ストーカーの中で決めつけています。
これとは違う反応をされるとすごく悲しいですし、なんで思った通りにならないのか?とショックを受けるのです。そして悲しい、悔しいといったネガティブな感情が怒りへと変わってしまいます。
ストーカーになりやすい人は、人間関係の形成が上手ではないという特徴があります。このような人は、集団生活を送っていく中で思った通りに物事が進まなかったりすると、ヒステリーを起こしたりする人が当てはまります。
集団生活の中では「すぐ怒るからめんどくさいやつだな」と感じる人の中にも、ストーカーの予備軍が混ざっているのかもしれません。
しかし、自分が起こした行動に対して、相手の反応は決められないんだ、と理解していたらどうでしょうか。
例えば先ほどの話でプレゼントを贈っても”好きでもない、付き合ってもいない人からの高額なプレゼントは受け取れない”と返却されたら・・・
「喜んでくれるはずだと思ったけど、喜んでもらえなかった。逆に重かったのだろう、迷惑をかけてしまったかもしれないな。」
と相手の反応が自分の思惑と違っていても、納得できるようになります。
尽くしている、好意を寄せるのは自由 見返りは求めてはいけない
自分がどう感じるのか、自分が相手に何をしてあげたいのか、それは自分自身の自由です。
すごくSNSで応援や拡散など協力をしている、プレゼントを贈る、好意を寄せる、こうした行動は個人の自由ですし、誰にも止められるものではありません。
これはストーカーだって自由です。
ただストーカーがマズイのは、こうした行動に見返りを求めてしまうのが一番の問題なのです。
●こんなに貴方のために色々としているんだから、好きになってくれて当然だ。
●高いプレゼントを贈っているんだから、感謝してもらわないと困る。
このように「見返り」を求めているのです。だからこそ拒否をされたときに、今までやってきたことは何だったのか、と無駄になってしまったような絶望感に襲われるのです。
すると悲しいと感じますから、それが怒りへと変わってしまいます。
相手が好きだから、応援しているんだ。プレゼントを贈りたいから渡すんだ。あと相手がどう感じるかは、自分の思うところではないんだ。と考えられれば、ストーカーへと変貌してしまうきっかけがスッと下がっていくでしょう。
ストーカーをしたって目的は達成できません。相手も気持ち悪いと感じますし、最終的には自分も「憎い」というネガティブな感情に支配されてしまいます。だからこそ、そこまで気持ちが変わってしまう前に、
「他人は自分の思い通りにはならない、何かをしてあげても感じ方は人それぞれ違う。だから自分はどうすればいいのだろう?」
と自問自答してみてください。
おのずと答えは見つかるはずですよ。
ストーカー加害者の方、ご家族の方、また実際に被害者としてお困りの方。ストーカーリカバリーサポートまでご連絡をお待ちしております。
守屋秀勝