ストーカーリカバリーサポートの守屋です。
私はこちらのブログでも再三にわたり「ストーカー加害者には治療が必要である」との持論をお伝えしてまいりました。
ストーカーは個人個人の性質や、育ってきた環境などにも影響を受けるものですが、それは決して不治の病ではありません。
ストーカー被害者のケアが最優先課題であることを大前提として、やはり加害者の治療も必要な要素である、と考えております。そこで現在のストーカー加害者に目を向けてみたときに、治療がどれくらい進んでいるのか、どのようにストーカー治療へ向けて取り組みがされているのか、などについてみていきたい思います。
ストーカー対して警察が医療機関受診を勧めるようになっている
実は近年ストーカーに関する相談が警察にされるケースが増えている一方で、実際にストーカーによる警告や注意を受けたストーカーに対して、警察が治療や受診をすすめるケースが増加傾向にあるというのです。
これは警察機関がストーカーに関する理解が深まってきた、と素直に喜んでいるところです。
なぜ病院なのか、と思われる方もいるかもしれませんが、警察による抑止力だけでは止めきれないストーカーもいるためです。
「次にストーカーをしたら、逮捕になるぞ」とどれだけ言われても、本人がストーカー被害者に執着している内は、再びストーカー行為を繰り返してしまう可能性がゼロではありません。
病院の受診はストーカーの治療に有効なのか?
さてストーカー行為を繰り返す加害者が、ストーカーの治療をしようと病院へ受診することは果たして有効なのでしょうか。
答えは「Yes」です。
精神科医がストーカーの治療にあたっておりますが、行う治療は「加害者に対する執着心を取り除く」というアプローチで加害者の治療を行っています。
また恋人関係や夫婦関係にあった方同士でストーカーの当事者になってしまうケースが多いことを鑑みると、やはり愛情やぞんざいに扱われたことによる怒りなどが、感情のねじれとなってストーカー行為につながっています。
こうした被害者に対する執着を取り除く治療が進められるのです。
ストーカーは病気だから仕方ない?
ここでストーカー行為をしてしまう人はどんな心理なのか見ていきましょう。
ストーカーは病気、治療が必要だ、とお伝えしているとおり、ストーカー加害者には治療が必要となります。しかし病気だからストーカーをしてしまうのは仕方がない、という考え方は絶対に違うと断言できます。
育ってきた環境やストレスなど、ストーカーとなりやすい要因を持つ方は少なくありませんが、だからと言ってストーカーをしていい理由とはなりません。
相手の心を推しはかったり、一般常識と照らし合わせて自分の行動を再認識したりと、ストーカーとそうではない方の考え方や感じ方の尺度がそもそも違うのが原因の1つ。だからこそストーカー加害者は、まず自身が「ストーカーかもしれない」という認識を持つことが大切で、それを本人に理解させてあげることが治療への第一歩なのです。
「ストーカーかもしれない?」が治療への第一歩
前述したストーカーかもしれない、という認識を本人が理解するのが治療への第一歩。
なぜならストーカー加害者は、最初は悪意など一切ありません。ただただ純粋な気持ちから、相手へ好意を伝えようとしているだけです。そこで被害者との感じ方に大きすぎる溝が生まれているんです。
そのためストーカー加害者に、ストーカー行為をしていると正しく認識させ、正しい生活を送る上での人格を1つ1つ再確認させていく必要があります。
もし「ストーカー行為だ!」と言われた経験がある方。
でもそれを信じたくない、むしろ自分は正しい!と感じている方。
またはこうした人を知っている方、身近にいる方は一度ご相談をされてみてはいかがでしょうか。
やはり自分の考え方だけの中で物事を判断するには、ちょっと生活に問題が出てきてしまう可能性がありますよ。