依存症とストーカーの治療

ストーカーリカバリーサポートの守屋です。

ストーカーというと皆さんこんなイメージをお持ちではありませんか?

「何を考えているか分からない怖い人」
「放っておくと事件を起こすかもしれない」

昨今の凶悪lなストーカー事件を見ているとこのようなイメージを持っている方も多いと思います。

ストーカーが何を考えているのか、ストーカーがどんな行動を起こすのか、こちらのブログでも他のメディアでも語られている通りですが、知れば知るほど「依存症」に似ているんです。

アルコール、ギャンブル、薬物 依存症とは?

依存症とは、厚生労働省のQ&Aにこう記されています。

特定の何かに心を奪われ、「やめたくても、やめられない」状態になること

代表的なのがアルコールやギャンブル、薬物もそうですね。

例えば何をしていてもギャンブルのことを第一に考えてしまう。その結果家庭や仕事などが手に付かない。やがて金銭的にもひっ迫した状況になり取り返しがつかない事態になってしまう。

依存症として専門家ではない我々がよく考える依存症の結末でしょう。

依存症もストーカーもその人の心が弱いわけではなく病気

依存症は固い意志さえあればすぐに治るものではありません。依存症の治療プログラムはカウンセリングやグループディスカッションなどを行い、さらに専門家がチームを組みじっくりと治療していきます。

依存症については「治療」という概念がずいぶん一般的になっているのではないでしょうか。

対してストーカーに関してはそうでもありません。

ストーカー事件を起こし逮捕されたとしても、治療プログラムの受講や入院などが強制されているわけではありません。

ストーカーに対しても一般的に「治療すべき」という認知を広げていく必要があると常々感じています。しかしストーカーの治療も依存症の治療と似ている側面があります。

依存症は背景にストレスなどが重なることも多い

依存上には色々な種類がありますが、依存症を引き起こす背景には幼少期からの生い立ちや生活のストレスなどが重なることが多いと聞きます。

依存のエネルギーを趣味に注ぐとか、何かで気を紛らわせるだとか、そういった行動では結局その原因は取り除けないんです。

ストーカーはどうでしょうか。

ストーカーの場合、治療方法は似ていますが、背景にあるものが少し違う場合もあります。

ストーカーを引き起こすものは自分を認めて欲しいという気持ちです。これには幼少期の生い立ち、その環境によるものが大きいと考えています。

プロセスは違ってもどちらも治療が必要になる

上に述べたケースが全てではありませんが、依存症には治療が必要です。そしてまたストーカーも同じように治療が必要です。

アルコール依存症などではアルコールに依存して、家族が不幸になり、自らの心身に悪影響を与えます。

ストーカーの場合は、特定の相手に執着してしまい、被害者をとことん追い詰める結果になってしまいます。そして最悪のケースでは傷害事件、殺人事件へと発展してしまいます。

依存症の治療体系が確立されている中、ストーカーの治療体系はまだまだ十分であるとは言えない状況です。

ストーカーは逮捕したらそれで終わりではありません。またすぐに再犯を繰り返してしまう可能性も高いのです。

この再犯率を下げるためにはストーカーも依存症と同じく、治療が不可欠なのです。