ストーカーリカバリーサポートの守屋です。
ストーカー被害に遭っており、相手の顔や名前、連絡先も分かっている。顔見知りがストーカー加害者の多くを占める現実から、このようなケースはたくさんあるでしょう。
ストーカー被害者は周囲の人に相談をするのも自然な流れの一つと言えるでしょう。
そこでストーカー行為をもうやめさせよう、と誓約書をお互いにかわすという手法を取る場合もあります。
さて、ストーカーに対する誓約書は、はたして有効なのでしょうか? ちょっと考えていきたいと思います。
ストーカー加害者との誓約書は法的には有効である
まず作成した誓約書は、必要事項が記入されており、間違いなく本人のものであれば法的に有効な書類であるのは間違いありません。
そのため誓約書の内容をストーカー加害者が破れば、それを元に違約金の支払いや処遇などを求めることができます。
ストーカー加害者に「ストーカー行為」を認めさせなければならない
誓約書を作成するにあたりストーカー加害者にも、誓約書の内容を認めさせる必要があります。
ストーカー加害者には、ストーカー行為をしているつもりがない、という無自覚なストーカーもいますので、ここが一番骨が折れる作業かもしれません。
これまでのストーキングを整理して、事実を認めさせる。そして署名捺印をもらうというなかなかハードルが高い作業になります。
改めて誓約書の内容を確認すると……
誓約書の内容を確認してみましょう。
おそらくですがどんな誓約書にも、誓約が守られない場合にどうするかが記載されているはずです。
違約金だったり、警察への訴えだったりを定めているでしょう。
「警察沙汰にしたくない!」という被害者の希望で、知人などを頼って誓約書が交わされるケースも多くあります。
この誓約書を交わすことで、相手をストーカーをさせないよう拘束する効果を期待しています。
「デンジャー」のストーカーには誓約書はただの紙切れでしかない
ストーカーの立場になって考えてみましょう。
誓約書を交わした場合、誓約を破れば警察に通報され、逮捕されてしまう可能性もあります。
また違約金の支払いが生じてしまう場合もあるでしょう。
では誓約書を交わさなかった場合にはどうなるでしょうか。
誓約書を交わさず「もうやめてくれ」と言われているだけなら、ストーカーがエスカレートしてしまいます。
逆に誓約書を交わさずに、警察にストーカー被害を訴えた場合は、警察から警告を受ける場合もあります。
ここで考えていただきたいのが、ストーカーを縛っているのが、違約金や警察への通報、警察からの警告などです。
誓約書を交わしてストーカーが収まるのならば、おそらく誓約書を交わさず警察へ警告を出してくれるよう訴えれば、ストーカーにとってダメージは一緒。ストーカーにとって逮捕のリスクが高まるわけですから。
ここでストーカーが「どうなってもいい」と非常に危険な状態であるデンジャーになっていたらどうでしょうか。
誓約書も警察からの警告も簡単に破ってしまいます。誓約書が抑止力として機能しなくなってしまうのです。
こうした危険な考え方に陥っているストーカーは、「あなたを殺して、私も死ぬ」という偏った思考になってしまっています。
この場合、誓約書はただの紙切れになってしまいます。
誓約書を交わしたから安心ではない
誓約書を交わすと、なんだかこちらが主導権を握ったような気がしてしまいます。しかしそれで全てが終わるわけではないことを、知っていただきたいと思います。
誓約書が交わされても法的な効力があったとしても、一切お構いなしのストーカーもいますので、ぜひご注意いただきたいと思います。
とはいえ誓約書そのものは法的には有効な手段の一つです。ストーカー被害に悩まれている方は、対策の1つとして考えられてもいいでしょう。