北海道の男性加害者と久し振りに電話で話した。
彼は昨年の9月の末頃深夜、突然電話で相談してくれた。当時、丁度関東を股がるストーカーによるバラバラ死体遺棄殺人事件が発生した時期と重なり、彼はマスコミ報道を見て、もしかすると自分はストーカーかも知れないと不安に駈られ私のホームページを見て電話して来てくれた。
私は先ず、自らをニュースで見た犯人と重ね合わせ、危機感を持ち勇気を振り絞り遥々電話して来てくれた彼の勇気を心から讃えた。
その中で彼は「とにかく彼女に申し訳なく謝りたい。それで彼女に何度か電話やメールをしてしまった。」「しかし電話は着信拒否されメールをしても返事が帰ってこず苦しくて、もしかすると自分はストーカーではないかと思い電話しました。」「今はタバコと缶コーヒーばかりで、殆ど御飯が喉を通りません。」
そして「来年の6月には彼女の近くに仕事で転勤する事に決まっていますが、それ迄に何が何でも回復したい」と苦しい窮状を私に訴えた。
そんな彼に私はストーカーから回復する上で必要な事柄を此れから毎日反復復唱し行動する様にアドバイスした。
「①人は例え夫婦、親子と言えども別人格で有り、何を如何に考え様と何をしようと自由で有り他人は支配できない」
「②何が有ろうともストーカー行為等の違法行為はしない。」
そして、ストーカーから回復する上で最も大切な「③如何なる状況に有ろうとも自らの感情を相手に処理して貰おうとせず自らの感情は自らジョリー出来る様に鳴ること。」
そして、「ストーカー行為をやらないストーカーにならない毎日を一日一日積み重ねて行く事」をアドバイスした。
彼は其れを真摯に受け止め更に私が薦めたアドラー心理学も自ら率先しパソコンで検索しストーカーから回復する為、貪り努力した。そして、私が被害者と連絡を取り合い、被害者の本心を彼に伝え、今後一切彼女と接触してはならない事を伝えた。
そして彼はその日の内に宣言療法による決別宣言を清く受諾した。
その後、毎回電話によるカウンセリングの度に決別宣言の復唱を何度もして貰い、色々カウンセリングし、「アドラー心理学入門」の本を彼に贈り読んで貰いながら3カ月余りたった昨晩彼は「今では、相手に対して興味も関心すらなくなり、非常に楽になりました。お陰様で通常の生活に戻れました」と喜んでいた。
ストーカーからの回復脱却のゴールとは、「依存対象者に対し、一切の興味や感心もなくなり、通常の生活を取り戻せる事に有る。」
一時期は食事も喉を通らず不眠症に喘ぎながら生きる望みを失いかけ七転八倒の苦しみを味わいはしたが、彼の脅威的な回復意欲と並々ならぬ努力により見事ストーカーから回復脱却したと言い切っても過言ではない。」