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お互いに連絡し合っていてもストーカー?こじれた関係の考え方と相談先

執筆:ストーカー・リカバリー・サポート

お互いに連絡を取り合っていた関係でも、どちらかが「もう連絡しないでほしい」と伝えたあとに連絡を続けたり、相手の家や職場の近くで待ったりすれば、ストーカー規制法の「つきまとい等」に当たることがあります。「前はお互いさまだったから」で済むとは限りません。どちらが被害者かを当事者同士で決めようとせず、これ以上やり取りを続けない意思をはっきり伝え、記録を消さずに、第三者に相談することが、安全につながる進め方です。身の危険が差し迫っているときは、迷わず110番に通報してください。

この記事では、2026年11月時点のストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律・平成12年法律第81号)の条文をもとに、お互いに連絡し合っている関係がこじれたときの考え方と相談先を整理します。条文は、e-Gov法令検索に収録されている現行の条文で確認しています。個別のケースが違法にあたるかどうかの判断は、警察や弁護士の領分です。

お互いに連絡し合っていたら、ストーカー規制法の対象にはならないのですか?

「お互いに連絡していたから対象外」とは言い切れません。とくに電話やメッセージは、以前やり取りしていたかどうかより、拒まれたあとに連続して送ったかどうかが条文上のポイントになります。

ストーカー規制法第2条第1項は、「つきまとい等」を、恋愛感情などの好意や、それが満たされなかった恨みを晴らす目的で、相手やその家族などに対して行う、条文に書かれた8つの行為と定めています。そのうち電話やメッセージについては、第5号で「拒まれたにもかかわらず、連続して」電話をかけたり、電子メールの送信等をしたりすることが挙げられています。ここでいう「電子メールの送信等」には、電子メールのほか、受け取る人を特定して送るメッセージや、相手のSNSやブログのコメント欄などを使って相手に送る行為も含まれます(第2条第2項)。

一方で、待ち伏せや押し掛けなど、拒まれたことを条件にしていない行為もあります。

主な行為(第2条第1項) 「拒まれたこと」が条件か
連続した電話・文書・電子メールの送信等(第5号) 条件になっている(「拒まれたにもかかわらず」)。ただし、何も告げない無言電話は拒まれていなくても対象
つきまとい・待ち伏せ・見張り・押し掛け・うろつき(第1号) 条件になっていない
面会・交際など、義務のないことを要求する(第3号) 条件になっていない
著しく粗野または乱暴な言動(第4号) 条件になっていない
名誉を害することを告げる、知り得る状態に置く(第7号) 条件になっていない

こうした「つきまとい等」を同じ相手に繰り返すと「ストーカー行為」(第2条第4項)にあたり(第1号〜第4号と、第5号のうち電子メールの送信等は、身体の安全・住居等の平穏・名誉が害されたり、行動の自由が著しく害されたりする不安を覚えさせるような方法で行われた場合に限ります)、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります(第18条)。どこからが対象になるかの全体像は、元カレ・元カノの連絡がしつこい…どこからが「ストーカー規制法」の対象?や、ストーカー規制法とはでも説明しています。

「自分のほうが被害者だ」とお互いに感じるのは、どんなときですか?

「やめたい」と思った時期や伝え方が二人の間でずれていると、両方が「自分が被害を受けている」と感じることがあります。たとえば、次のような状態です。

  • 一方が「もう連絡しないで」と伝えたが、もう一方は「まだ話し合いが終わっていない」と感じて連絡を続けている
  • 連絡を減らしたい側も、届いたメッセージに強い言葉で言い返している
  • はっきり伝えないまま急にブロックし、相手が別の手段で連絡してくる
  • 別れたあとも時々やり取りが続き、どちらが終わらせたのかあいまいになっている
  • 相手への不満を、SNSや共通の知人に向けて発信している

こうした状態のとき、どちらが悪いかの決着を二人でつけようとすると、連絡はかえって増えがちです。大切なのは「どちらが悪いか」より、これ以上やり取りが続かない状態をつくることです。そのうえで、自分の側にも見直したほうがよい行動がないかを、落ち着いて振り返ってみてください。責めるためではなく、自分の身を守り、あとで経緯を正しく説明できるようにするためです。一方的に連絡や待ち伏せを受けている場合に、あなたに落ち度があるという意味ではありません。

どちらが悪いか決める前に、今日できることは何ですか?

今日からできるのは、やり取りを続けない意思をはっきり伝えることと、記録を残すこと、そして会って話をつけようとしないことです。

すでに相手から「連絡しないで」と伝えられている場合や、ブロック・着信拒否をされている場合は、こちらから伝え返したり、別の手段や友人を通じて連絡したりする必要はありません。返事も含めて、こちらからの連絡を止めてください。次の1・2は、まだ自分の意思を伝えていない側の手順です。

  1. 「これ以上連絡を取り合わない」と、短くはっきり伝える。理由を長く説明したり、相手の非を並べたりする必要はありません。直接会わずに、電話・メール・SNS、あるいは友人など第三者を通じて伝えて構いません。
  2. いきなりのブロックより、伝えることを先に。何も言わずに突然着信拒否やブロックをすると、相手が行き場を失い、かえって危険が大きくなることがあります。
  3. 記録を消さない。相手から届いたものだけでなく、自分が送ったものも残しておきます。いつ、誰が、何をしたかが分かると、警察や弁護士に経緯を説明しやすくなります。
  4. 会って話をつけない。「最後に一度だけ」と二人きりで会うのは避けてください。話し合いが必要なら、弁護士など第三者を通します。
  5. 相手のことを発信しない。SNSに書く、共通の知人に言いふらすといった行動は、関係をさらにこじらせ、場合によってはあなた自身の行為が問題になることもあります。

伝え方や、伝えたあとの動き方は、ストーカー被害に遭ったら、まずこれだけはにまとめています。

相手から「ストーカーだ」「警察に言う」と言われたら、どうすればいいですか?

誤解を解こうとして連絡を重ねるのではなく、まず連絡を止め、経緯の記録を持って第三者に相談してください。拒まれたあとの連続した連絡は、それ自体が第2条第1項第5号の行為にあたりうるからです。

警察は、被害を受けた方の申出により、または警察の判断(職権)で、繰り返さないよう警告することができます(第4条第1項)。さらに、都道府県公安委員会が、繰り返してはならないこと等を命じる「禁止命令等」を出すこともあり、その前には原則として本人の言い分を聞く「聴聞」が行われます(第5条第1項・第2項)。

  • 言い返す・弁明のメッセージを送るのは控えます。
  • 自分の言い分や、相手からの行為があったなら、その記録を消さずに残し、弁護士に相談します。
  • 「やめたいのに、つい連絡してしまう」と感じているなら、それ自体を相談してください。私たちは、やめたいのにやめられない方からのご相談もお受けしています。

お互いさまの関係でも、どこに相談すればいいですか?

身の危険があれば110番、緊急ではない警察への相談は#9110、法的な判断は弁護士です。どちらの立場なのか自分でも分からないときは、決めないまま私たちにご相談いただけます。

相談先 向いている場面
110番 身の危険が差し迫っているとき
警察相談専用電話 #9110 緊急ではないが警察に相談したいとき。かけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。受付時間は都道府県警察ごとに異なり、ダイヤル回線や一部のIP電話からは利用できません(政府広報オンライン「警察に対する相談は警察相談専用電話「#9110」番へ」)
弁護士 個別のケースが違法にあたるかの判断や、法的な対応が必要なとき
ストーカー・リカバリー・サポート(私たち) 自分が被害者なのか加害者なのか分からないまま相談したいとき。電話・メールとも24時間受付

私たちは、元ストーカー加害者である代表が立ち上げた団体で、加害者の方、被害者の方、そのご家族のご相談を同じ窓口でお受けしています。ご相談のなかで必要と判断した場合には、顧問弁護士や連携している医療機関へのおつなぎ、ご希望に応じて警察への同行をします。なお、私たちから相手の方へ直接働きかけることはしません。相手への対応が必要な場合は、弁護士を通して行います。相談先ごとの役割は、ストーカーは、どこに相談すればいいのかでも整理しています。

よくある質問

先に連絡していたのが自分でも、被害を相談していいですか?

相談して構いません。以前は自分からも連絡していたという経緯も含めて、そのまま話してください。記録が残っていれば、警察や弁護士が状況をつかみやすくなります。

お互いにブロックすれば、それで終わりにできますか?

何も伝えないまま突然ブロックすると、相手が別の手段で連絡してきたり、かえって行動がエスカレートしたりすることがあります。まず「これ以上連絡を取り合わない」とはっきり伝え、そのうえで距離を置いてください。すでに相手から「連絡しないで」と言われている場合は、伝え返す必要はなく、こちらからの連絡を止めてください。

二人で話し合って、きちんと終わらせたいのですが。

関係がこじれているときに二人きりで会うのは避けてください。話し合いが必要なら、弁護士など第三者を間に立てる方法があります。私たちにご相談いただいた場合は、必要に応じて顧問弁護士へおつなぎします。

どちらが被害者なのか分からない、という迷いは、それだけで大きな負担です。答えが出ていない段階でも構いません。いまの状況をそのまま、お問い合わせからお聞かせください。

※ 条文の出典:e-Gov法令検索「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(平成12年法律第81号)、政府広報オンライン「警察に対する相談は警察相談専用電話「#9110」番へ」(#9110の説明は、政府広報オンラインの記載をもとに当団体で要約したものです)。個別のケースの判断は、警察や弁護士にご相談ください。

Contact

記事にしていないことのほうが、多いです

いま抱えていることを、そのまま聞かせてください。加害者の方も、被害者の方も、そのご家族も、同じ窓口でお受けします。

24時間受付電話・メールとも24時間受け付けています。

身の危険が差し迫っているときは、まず110番に通報してください。

この電話番号とお問い合わせフォームはご相談専用です。営業・勧誘のご連絡はお断りしています。

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